いよいよ Remo-con 氏のニューアルバム「rhetoric」が発売します。

かつて何度もお世話になっている exbit trax として簡素ではありますが特集記事を書いてみました。

Remo-con New Album "rhetoric" 発売前勝手にレビュー

■DISC 1

1. question

2. Rave Saves You feat. CARDZ (IIDX Extended Version)

3. Vermilion (extended mix) 

4. Click Again (extended mix)

5. Zapper ~Shakin'41~

6. Voxane (extended mix)

7. Catana

8. FAKE TIME Reprise

9. Condor (extended mix)

10. Golden Cross (extended remix)

[Bonus Track]

11. FUZE (Nhato Remix) Remixed by Nhato

12. Southern Wind (StripE Remix) Remixed by StripE

13. G-SIGH (HDM Rework)


■Disc2 -Exclusive Live Set-

1. bleep on love

2. Extrema Pt.2 (Exclusive Live Version)

3. meta Dimension (Remo-con Remix)

4. Don't Believe Da Hype

5. 6th mode (Remo-con Mix)

6. Hello Mr. Breakbeats (Acid Mix)

7. Narky Light

8. Cold Front (Live Mix)

9. Tube

10. tube type

11. Talkin' Talkin'

12. Atavism (Mac & Mac Remix)

13. R.A.V.E. (Remo-con Remix)

14. Instability

15. G-Sigh(Nish's DnBoot Remix Live Version)

16. FUZE

17. Paper bag

18. ロンドンは夜8時 feat. AMWE(Remo-con Remix)

19. Acid Shower (Remo-con Remix)

#Tr.01~15 Recorded at ageHa@STUDIO COAST, Tr.16~19 Recorded at club asia

収録曲に関する考察(tr01 ~ tr10)

■MV に見る "question"

 

当該アルバムは CD 2 枚組で、disc1 の 1 曲目、すなわちアルバム「rhetoric」で最初に耳にするであろう曲のタイトルを、氏は "question" と題した。開幕早々、リスナーは問いかけられることとなる。

上の画像は公開された rhetoric の MV をキャプチャーしたものだ。人はなぜ意味を持ちたがるのか?

 

だがその前に、レトリックという言葉は日常会話でぼちぼち出てくる英単語ではない。(少なくとも僕はそう思う。)どういう単語なのか。

"question" による氏の問いかけの前にまず、レトリックってなんやねんという話から。

かの Wikipedia によると rhetoric - レトリックとは修辞学修辞技法、アリストテレスによる弁論術といった解説ページに分岐され、トップにある修辞学の最初の第一文では「修辞学(しゅうじがく、希: ρητορική, 羅: rhetorica, 英: rhetoric)は、弁論・叙述の技術に関する学問分野」とある。なるほどわからん。

 

MV のテロップでは特定の何かについて「人はなぜ意味を持ちたがるのか?」と問いかけている。この設問はつまり「意味はなくてもいいはずのものに、意味を持たせるのは何故か」と置き換える事もできる。この場合「意味はなくてもいいはずのもの」とは何のことだろうか。

 

レトリックという主題も、辞書(今回は Wikipedia)を引いただけの意訳ではよくわからないし、MV のテロップの問いかけにもろくな回答が持てそうにない。

氏はクリエイターとしてアルバムをリリースしているのだから、こんな時は深く考えずに当該の曲を聴けばいいのではないか。

言葉遊びなんか無駄かもしれないし、そろそろ脳みそ煮えてきたので "question" のデモを聴いてみることにしよう。この考察時間はなんだったのか。

特定のアーティストが自身のアルバムをリリースする際、導入部分としての 1 曲目はスローテンポのものが収録されたりすることはよくあるが、この "question" もまた氏のイメージからは想像もつかないエレクトロニカである。BPM で言うと 100 前後なので、普段 Tech Dance のリリースが多い同氏の作風とは遠いところにある。と言ってもこれはプレビューなので、どこかのタイミングで急に Tech Dance 風になったりすることもあるかもしれない。

 

人はなぜ意味を持ちたがるのか?

アルバム「rhetoric」を全て聴き終わる頃には、何かしらの回答を得られているのかもしれない。

Rave Save You から感じる歴史


disc1 の 2 曲目は話題の "Rave Saves You feat. CARDZ (IIDX Extended Version)" という曲だ。


初出は 2013 年 8 月 8 日に ENERGIZE JP RECORDS からリリースされた ENERGETIC TRANCE 03 mixed by MUNETICA に収録されていた "RAVE SAVES YOU [Exclusive Mix for ENR-004]" というものである。これに MC CARDZ のリリックが追加されたもののうち、IIDX サイズにブラッシュアップされたものということになる。
ご存知「花粉症」こと "Pollinosis" も ENERGIZE JP RECORDS 監修の ENERGETIC TRANCE 01 mixed by MUNETICA に収録されている。

"Rave Saves You feat. CARDZ" というタイトルでは、氏がレジデントを務める Hardgroove パーティー EXTREMA で制作された MIX CD である EXTREMANIAX VOL.1 mixed by Remo-con にのみ唯一収録されている。


そして、この曲の何が話題かと言えば、次期 beatmania IIDX である PENDUAL というバージョンのロケテストにて収録が確認されたことだ。氏が Remo-con 名義で beatmania IIDX に楽曲を提供するのは Lincle というバージョンの "Voxane" 以来、実に 3 作品ぶりということで、数年後しの復活にファンは驚きと喜びを隠さなかった。この "Voxane" も同アルバム disc1 / 6 曲目にエクステンドバージョンが収録される。


Hard Dance に MC という組み合わせは、少なくとも国内では「ありそうでなかった」と僕は思う。

"Rave Saves You feat. CARDZ" を初めて聴いた時に思ったのは Public Domain の Make The Connection (Vocal mix) や Operation Blade の雰囲気にとてもよく似ていて格好いいな、ということだった。

どちらのも実に古い曲で、何度も何度も自他にリテイクやリミックスが行われ、無数のブートが生まれ、プレイされ、今日に至っている。

そして、僕が知っている限りこの曲が国内で最も多用されていたパーティーは、氏も参加していた velfarre Cyber TRANCE である。いわゆる Cyber TRANCE 的なアンセムではないので意外かもしれないが、フロアに投下されていたことは紛れもない事実だ。

 

Cyber TRANCE は国内における TRANCE パーティーの基礎を作った。氏が参加していた hellhouse recordings(現 dieTunes)Yoji Biomehanika 氏の "Look at The Heaven" や "Hardstyle Disco" そして "Ligaya (Yoji Biomehanika remix)" もアンセムとして何度も何度もプレイされた。

それと同時に、氏のデビューシングルである "G-sigh" や "streams" も Cyber TRANCE でプレイされていた。"G-sigh" については同アルバムの disc1 / 13 曲目に "G-SIGH (HDM Rework)" がボーナストラックとして収録される。

 

HDM とは YOJI 氏が提唱する "Hard Dance Music" の略称で、EDM 用途も視野に入れた広域的な意味での Hard Dance であり、Remo-con 氏が HDM という言葉を用いて曲をリリースするのは確か初めてのことだ。HDM という音楽についてはこの "G-SIGH (HDM Rework)" ももちろんであるが、提唱者である YOJI 氏の "Evil Mushroom" や昨今の Organ Donors の作品を聴いておくと幸せになれるかもしれない。

(※8/27 追記:Remo-con 氏がこちらのレビューを読んでくれたそうでとても嬉しく思うのですが、内容に一部誤りがあるのらしいので訂正させて頂きます。氏曰く「HDMというワードは YOJI さん提唱では無く、そこそこ前からあったよ」とのことです。起源は定かではありませんが、Evil Mushroom が起こりではないとのことですので、大変失礼致しました!)


ところで、クラブにおける MC というのは時に歌う人だったり、時にクラウドの代弁者だったり、良い意味でフロアを煽ってくる気がする。

こと Hard Dance というジャンルにおいて MC を立ててプレイする DJ は、少なくとも国内で見る機会は少ない。

今回、MC CARDZ のリリックが Rave Save You に乗っているということだが、これを機に Hard Dance with MC というスタイルの認知度が上がるかもしれない。

この曲は決して Public Domain のそれらをリバイバルしたものではないが、昔からある "Rave" を見事に表現した秀作と言えるのではないだろうか。

■らしさを感じる "Vermilion"

 

disc1 / 3 曲目の "Vermilion (extended mix)" は 2012 年 9 月 25 日に稼動を開始した jubeat saucer に収録された "Vermilion" のエクステンドバージョンである。※僕は beatmania IIDX はともかく jubeat はあまり遊んでいないので間違った情報があったら本当にごめんなさい。

 

氏の作風は上記 "Rave Save You" が題しているように、わりとレイヴィーなものが多い。

如何にもなオケヒや、キレッキレのピアノ、テンション高めの MC やボイスサンプル、そして新旧あらゆるシンセで鳴らされるリフや Bleep が計算され尽くして配置されている。

 

ダンスミュージックはこんなに楽しい!というのをそのまま音にしたような作風だ。

これが実に Remo-con 氏らしさを感じる。

 

またこの単語を紹介することになるが、Neal Thomas - R.A.V.E!Remo-con remix は実に強烈なフロアアンセムとしてプレイされてきた。EXTREMATokyo Hard Groove Session で初めて氏のプレイを体感したという若い世代が、わけもわからぬまま楽しんできたのはまさにこういう曲である。

 

Hard Dance や Tech Dance というジャンルに「これ!」というルールはない。必ず BPM が 143 でなくてはならない理由もないし、このシンセを再現しなければならないとか、こういう構成で組み立てないと成立しないということはない。

氏は多くの曲を hellhouse(現 dieTunes)で等リリースしてきたが、ディストーションの効いたギターが走り続ける "G-sigh" があったり、ジャズっぽい雰囲気を活かした "6th mode" があったり、そしてこういったレイヴィーなサウンドが存在する。

 

このレイヴィーなサウンドが、如何にもな Remo-con 氏らしさを感じずにいられないのである。

その背景には Y&Co で培われた Disco / Eurobeat ライクなクリエイター遍歴だったり、本人の好みによるところが大きいかもしれない。本人が意図してこういった作品をリリースしているのであれば、是非とも続けていってほしいものだ。

 

ところで beatmania IIDX 9th style に収録された Y&Co - Bad Boy Bass!! (dj Remo-con MIX) は不朽の名作であると僕個人は推して止まないのだが、Y&Co のアルバム Y&Co - BEST HIT YCO を入手してない人は、この機会に是非手に入れてみては如何だろうか。

☆BEST HIT YCO 通販ページ(コナミスタイル)

■beatmania IIDX で「叩く」Remo-con 節

 

beatmania IIDX の最新バージョン PENDUAL が 22 作目、初代の稼動が 1999 年なので 15 年ほど歴史のあるシリーズ作品ということになる。前身の 5 鍵盤 beatmania も含めるともっと長くなる。

 

氏のアルバム「rhetoric」の収録曲の多くは beatmania IIDX に限ったことではないが、要するに KONAMI の bemani シリーズに収録されていたものが多く採用されている。KONAMI プロデュースのアルバムなので当然ではあるが。

 

初めて bemani に提供された氏の曲は、最も古いところだと Dance Dance Revolution の何かしらということになるかもしれないが(未検証)、アルバムの楽曲レビューということで、今回は beatmania IIDX では最も古い 10th style 収録の "Shakin'31" や "SCORE" を取り上げることにする。


"Zapper ~Shakin'41~" は "Shakin'31" の関連作品であることはタイトルからして明らかであるが、氏の bfm 番組 Remote Control 内で「31 歳の時に作ったから Shakin'31」と明言された。つまり "Zapper ~Shakin'41~" は 41 歳の時に制作された曲ということになる。

ちなみに、氏の誕生日はアルバム「rhetoric」発売日の翌日 8 月 28 日である。

大事なことなのでもう一度書くが、Remo-con 氏の誕生日はアルバム「rhetoric」発売日の翌日 8 月 28 日である。

 

"Click Again (extended mix)" は IIDX 翌作品である beatmania IIDX 11 IIDX RED に収録された "Click Again" のエクステンドバージョン。タイトルにある Click は Click House というジャンルから取っているそうだ。BEST HIT YCO リリースに伴い、氏のツイッターで特定の Click House(好みの Click House?)を紹介していたので引っ張ってきたかったのだが、えらく前のデータにつきサルベージ出来ず申し訳ない。

 

そして Tech Dance チューンとして収録された "Voxane"(アルバムではエクステンド)は、現在の beatmania IIDX においては氏の名義では最新曲ということになる。(後の新作に "Rave Saves You feat. CARDZ(IIDX Version)" 収録が控えていることは上記の通り)これも "Vermilion" に負けず劣らずの Remo-con 氏らしさ溢れる秀作となっている。Vox 姐さん。

 

僕は Cyber TRANCE が開催されていた velfarre に勤めていた手前、当時から beatmania IIDX へ楽曲提供している氏も、Cyber TRANCE の DJ としての氏も知っており、velfarre で beatmania の話を振っても本人は「ゲームのことはよくわからない」という回答がほとんどで、恐らく現在でも自身でゲームセンターで遊んだりはしていない様子。

しかし、beatmania が「降ってきた譜面を音楽に合わせて叩いたりスクラッチしたりするゲーム」という部分は知っているようで、例えば "Rave Saves You feat. CARDZ (IIDX Version)" では、他のバージョンには存在しない?スクラッチ音が追加されていたりする。

 

各方面で活躍している氏に対して、ゲームの話題ばかり振るのが些かナンセンスであることは、10 年ほど前の僕が身を持って体感している。氏は氏なりに bemani を理解し、プレイヤーが楽しめるような音源を提供し続けてくれている。

世間には星の数ほど音楽を作っている人がいて、いろんな経緯があってそれが CD としてリリースされたり、ゲームに収録されたりしている。

氏の最新ワークをクラブや bfm だけでなく、ゲームセンターでも体感できることはファンとしてもとても嬉しいし、これからも続いてほしいと切に願う。

 

beatmania IIDX に収録されている氏の曲で特に印象深いエピソードと言えば、確か SP 全押し譜面というのは IIDX 12 Happy Sky 収録、Pollinosis (Another) が最初だったような気がする。

当時僕は velfarre の下っ端クルーとして在籍しており、上司が Remo-con 氏ファンの僕に気を利かせてくれて、同氏が花粉症なのかどうかメールで問い合わせてくれたことがある。回答としては「花粉症××年のベテランです」とのことだった。

■Remo-con 氏の曲作りを "Catana" から学ぶ

 

なんだか急に見慣れないアートワークが出てきて驚かれたかもしれないが、氏のファンであるならこのワークスは知っておくと幸せになれるかもしれない。

 

まず、"CATANA" という曲の初出は SKETCH UP! Recordings 監修 JP-H/D #02 である。同タイトルにはアルバム「rhetoric」にボーナストラックとして収録される  "Southern Wind (StripE Remix) Remixed by StripE" を手がけた StripE 氏の Fearless 等も収録されている名盤だ。

そして、鬼のアートワークであるところの ONIKIRI も Remo-con 氏が携わっている作品であるが、これは一般的なオーディオユースの CD や DVD ではない。

簡単に言うとトラックメイカー向けの素材集で、氏はここに自身謹製のサウンドを提供したということである。

 

ONIKIRI に収録されている氏のサウンドを綿密に組み合わせることで、ある程度 "Catana" を再現することが出来る。というのも、本人が Remote Control 内でそのようにして作ったと明言したことからこのサンプルパックの注目度は一気に高まった。(注釈するまでもなく、収録サウンドを並べただけでは完全再現出来ないのでご注意下さい)

ちなみに、スペルこそ異なるものの ONIKIRI のプロデュース元も Katana Bits という名称である。


"Catana" はその後、CaZ - Rock Da Hardstyle と融合し "Rock Da Catana" として CaZ のアルバム「Progress」に収録、その後 2014 年 4 月 23 日には dieTunes からシングルリリースも行われた。

"Rock Da Catana" シングルリリースの際に "Fuze" と "Handbag" もそれぞれデジタルリリースされた。

 

氏の曲作りに興味があれば、是非とも "Catana" そして ONIKIRI の関係性は覚えておいて損はないだろう。

努力を重ねれば、次世代 Remo-con になるのは貴方かもしれない。

■"FAKE TIME" が「偽物」でなくなる時


ここまでほとんど beatmania IIDX プレイヤーという立場で書かせてもらってきたので、この曲についてのエピソードを書いたところで「今更」と感じる人もいると思うが、あえて書かせて頂きたい。


氏は "FAKE TIME" を「偽物」と豪語している。


というのは "FAKE TIME" が収録された beatmania IIDX 11 IIDX RED新曲紹介で自身が語ったコメントを見ればわかる。


オーケーィ!お前らに熱いロックを聴かせてやるぜー!

BPMも超っ速だぜ!やれんのか?ついてこれんのか?

ビビったか?たじろいだか?

でもな、ギター以外は全部打ち込みなんだぜー。フェイクなんだぜー。

どうだー、騙されたかー?ざまーみろー!

みたいな曲です。失礼しました。


要するに、ギター以外は全てコンピューター制御により生成した音なので偽物のロックですよということである。


この言葉に後ろめたさはなくて然りと、僕は思う。

何故なら打ち込みによる音楽というのはもはや当たり前で、ギターだけでもちゃんと収録したのは褒められるべきことなのではないかとすら。

「BPMも超っ速」とあるが、IIDX RED 収録時点では 200 BPM で、比較対象として氏の Tech Dance は 140 帯であることが多い。アルバム収録の "FAKE TIME Reprise" もデモでは 200 BPM だ。


曲作りにおける「こだわり」というのはクリエイターが 100 人いれば 100 人が違うはずなので、氏がギターしか収録していないから "FAKE TIME" が「偽物」と言えばそれはきっと「偽物」なのだろう。

僕自身は上に書いた通り、ギターだけでも収録したのであれば凄いなー程度の認識でこの曲を楽しんでいる。


僕らにとって打ち込みで作られた曲は「偽物」なのか。結果そこに格好いい曲があればそれは「本物」ではないのか。

約 10 年の時を経て "FAKE TIME" は Reprise(反復)された。

氏の中で「偽物」だったものはどのように生まれ変わったのか、アルバムの到着を心待ちにしようと思う。

■天高く舞う鷹は夜明けを見るのか?

 

"CondorDance Dance Revolution 2013 に追加トラックとして収録され、アルバム「rhetoric」の "Condor (extended mix)" はその純粋なエクステンドである。

 

MV でも使われているように、アルバム「rhetoric」を代表する非常に前衛的な Tech Dance で、beatmania IIDX 収録曲が DJ シミュレーションゲームとして鍵盤を叩く遊び向けだとすれば、Dance Dance Revolution 収録の "Condor" は踊りながらパネルを踏む遊び向けなので、純粋にダンスミュージックとして真価を発揮しているように思う。

その違いに大きな意味はない。氏の曲はどれも素晴らしく、そもそも優劣はない。

 

曲中、特徴的なパイプサウンドや Tech Dance には珍しい EDM ライクなシンセリフなど、かなり前衛的に設計されたことが注目され、一部 Hard Dance クリエイターに衝撃を与えた。というか僕がまさにそれだった。


氏と DDR の繋がりは、実はかなりの時間を遡る。

DDR 2nd MIX オリジナルサウンドトラック(復刻版)のリリース記念対談で語られたように、1999 年発売のサウンドトラック(ノンストップミックス)から参加しており、対談中「これがキッカケで KONAMI さんだったり、ゲーム音楽をやるようになって、本当に感謝している」と述べていることから、氏が bemani へ楽曲提供するそもそもの起こりとなったことは間違いない。

 

HDM とは一線を画した「新しい Hard Dance」として見ても非常に面白い作品である。

Hard Dance と EDM の融合は日夜研究されているが、"Condor" は誰よりも早くその夜明けを見たのだろう。

■ルール無用 "Golden Cross"

 

"Golden Cross (extended remix)" は beatmania IIDX 14 GOLD の家庭用ソフトに収録された後、アーケード版では IIDX 17 SIRIUS からも収録された "Golden Cross" のエクステンド版で、ルール無用である。

 

タイトルを直訳すると金十字ということだが、何のことだかよくわからない人はとりあえずゲーム内 MV をご覧頂きたい。

一頻り笑ったら、スーツ姿の Remo-con 氏が非常にレアであることを思い出してニヤニヤしよう。

 

氏の本来の Tech Dance とは異なり、かなり BPM が速いのでクラブなどの現場でかかる機会は少ない。

代わりに Remote Control では耳にする機会が増えたので、もっと聴きたい人は氏にその旨をアピールすることを勧める。

 

全体の進行としては非常に Techno ライクな作風で、ブレイクを除いてほとんど同じメロが走り続けるというストイックさ。

dj TAKA 氏との対談動画では曲の組み立て方や駒の打盤音のサンプリング方法などについて制作秘話が語られた。

 

MV の話題性もさることながら、ゲーム的な譜面難易度も beatmania IIDX 内の Hard Dance / Tech Dance 系には珍しく当時の最高難度 ☆12 として制作され、ランカーなどの上級者に衝撃を与えた。

曲の格好良さも然り、いろんな角度から人気曲へとなったようである。

Remo-con New Album "rhetoric"  入手あれこれ

いよいよ明日 8 月 27 日に発売を控えた Remo-con 氏の最新アルバム「rhetoric」だが、この内容で買わないなどと筆者は信じられないのであえて買いましょうとは書かない。買って然るべき。それも早い段階で。

 

上記の画像は氏の手がけた MIX CD としては圧倒的に有名な dieTunes presents VIBLE02 mixed by Remo-con の Amazon での検索結果だが、この値段はまだ可愛いほうで、あっという間に売り切れてプレミア化してしまうので注意が必要だ。

 

同様に EXTREMANIAX VOL.1 mixed by Remo-con も現在ではほとんど在庫がない。そもそもこちらは通販対応されていないのでリリース当初からレア盤である。

 

買おうかどうか迷っている人は今すぐ下記のサイトでチェックしてもらいたい。

 

コナミスタイルの通販ページ

 

Amazon の通販ページ

 

かなり上のほうで書いたが Remo-con 氏はアルバム「rhetoric」の発売日の翌日、8 月 28 日が誕生日である。

自分へのプレゼントに 1 枚買うことで、氏のアルバムも売れるという素晴らしい経済効果。内容については折り紙つきだ。

もっと言うなら、ぜひ友人知人にもオススメして頂きたい逸品である。

筆者は自信を持って書かせて頂くが、こんなアルバムはもう数年出ない。

 

iLOUD でアルバム「rhetoric」についてインタビュー記事があったので掲載しておく。

 

Remo-con 『rhetoric』 インタビュー(iLOUD)


KONAMI プレゼンツ BE生 でも発売日 8 月 27 日 20:30 からこちらの URL で Remo-con & dj TAKA & L.E.D. という超豪華なメンバーで特番が配信される。


そして忘れてはならないのが Blockfm 内の Remo-con 氏の番組 Remote Control が同日 24:00 から放送される。


何度も書いているが翌 8 月 28 日は Remo-con 氏のバースデー!!


リリースウィークの週末は 8 月 29 日 23:00 から渋谷 VISION にて RAVE VISION に出演。


翌日 8 月 30 日は飛んで和歌山 CLUB GATE にて ANSWER に出演。

自身で「誕生日が商用利用される」と語っていたが、今夜も貴方を寝かせないどころか、寝る暇もなく忙しいバースデウィークになることは間違いなさそうである。

筆者:Philce (EXTREMA, TELEXISTENCE, exbit trax)

来歴省略。
EXTREMA 在籍のブート屋さん。
exbit trax を主催し、Remo-con 氏の新作楽曲 Projection、Paper Bag、Rock Da Catana、Handbag、Golf Bag 等のプレマーケティングに参加。

EXTREMANIAX VOL1 に The Shooter、Metaphor、KNIGHT などが収録された。ヤッタネ。

Remote Control でちょいちょい謹製ブートがプレイされる。

元 velfarre クルー。チェルス。
Philce という呼称も Remo-con 氏に頂いたもの。


「rhetoric」はコナスタで買う模様。